国際結婚 ~最終~

日本人の優しさ

お義父さん・お義母さんに初めて出会った

初めて夫の両親に会うときは、私の日本語は通じるか、お義父さん・お義母さんの日本語を聞き取れるのか、イスラム教徒の私を受け入れてくれるのかなど、とても心配して緊張しました。夫と二人で東京駅に迎えに行って、やっと出会ったお義母さんの最初のお言葉は「How do you do?」でした。「あれ?」と思ったのですが、「初めまして」と答えると、お義母さんが「あら、日本語通じるんだ!」と。なんとお義母さんは、嫁が外国人なので、東京に来るまでの新幹線の中で英会話の本を買って、一生懸命勉強したと言うのです。

お義母さんが実際に買っていた英会話の本
お義母さんが実際に買っていた英会話の本

お義母さんは、とても嬉しい表情で私をハグしてくれました。お義父さんも日本語が通じるかどうか心配していたようで、私と話すときにはとてもゆっくり話してくれました。お義父さん・お義母さん共にイスラム教徒の私に全く違和感なく、受け入れてくれたようでした。私は本当に安心することができて、心配や緊張は緩み、飛んでいきました。そして、一緒に外食するときには、私が食べられるお店を探してくれて本当に感謝しました。

夫のストーリー

ムスリムになった夫には、同僚やお友達が優しく気遣ってくれています。夫はそもそもアルコールを飲まないので、飲み会があってもコーラをよく飲んでいます。同僚やお友達と外食しても、豚料理がないレストランで一緒に食事しています。2016年のラマダンは夫の初断食、やはり一日中の断食は本当に辛かったようですが、アッラーのお恵みと、周りの優しい方々のサポートのお陰で、乗り越えることができました。夫が断食している間に迎える会社でのランチタイム、同僚の方々は気遣って「頑張れ!」と応援してくれたようです。イフタールには、同僚が「すごい!頑張ったね!」と優しく褒めてくれたそうです。

ヒジャブ

ヒジャブは当然、日本では珍しいことでした。冬はヒジャブが体を暖かくしてくれますが、夏の間は周りの人から「こんなに暑いのに頭に布を巻いたら熱くないのかなぁ?」と言いたげな表情で見られたりします。一度だけ、スーパーでおばあさんから「あらら、かわいいスカーフですね~」と声をかけられたこともあります。

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日本に来てから、日本人に声をかけられるのは初めてだったのでびっくりしましたが、同時にうれしかったです。さらに「(スカーフを巻き方が)すごいね~どうやって巻いているの?」と興味を持ってくれました。また、「別の国で生活するのは色々難しいかもしれないけど、頑張ってね」とも声もかけてくれました。その言葉のお陰で、心が温かくなり、「もっと頑張らなきゃ」と元気づけられました。あの言葉は今もずっと私の心の中に残っています。

「家族」の範囲の違い、インドネシアでの披露宴

日本の披露宴でもインドネシアの場合でも、親戚と友人を招待するということには変わりありません。そこで、新郎と新婦の両親への感謝の気持ちを伝え、感動と祝福の雰囲気が広がります。夫によると日本では招待客は多くても100名くらいかなと聞いたことがありますが、私たちの披露宴には約3000人の方々が来てくれました。当日、夫はとても驚いていました!

日本人の感覚と違い、インドネシア、特に私は住んでいた町では、いわゆる親戚の方はもちろん、自分が生まれてから一度も聞いたこともないかなり遠い親戚、またはすごく仲良くしてくれている方まで「親戚」または「家族」として一括りで扱われます。「親戚」または「家族」の言葉の意味は日本と違い、結構広範囲になります。また、兄弟姉妹が多いので、従兄弟(従姉妹)や伯父(叔父)伯母(叔母)の人数も必然的に多くなります。

しかし、日本の場合は「親戚」または「家族」というのは近親の方々だけで、範囲はインドネシアより狭いです。ですから、私たちの披露宴の時は、「(自分は)親戚だよ~」と言っていたお客さんを見て、誰かわからなくて微妙な表情をしていた私に夫が気づいて「親戚なの?」と聞いてきました。私は「わからないけど、親戚の親戚かもしれません」と答えました。夫が「えええ?!もう親戚じゃないでしょ、遠すぎて」と驚きました。

終わりに

二人は生まれてから違う文化で生活してきました。でも、それは「家庭の宝」になると思っています。それは、異なる価値観や視点など色々な考えを2人で共有できるからです。
一方、自分と違う文化で生まれて育った方と結婚し、別の国に暮らし始めて感じたことは、お互いに文化を受け入れることが一番大切だということです。自分が慣れないと、周りの環境が自分のことを受け入れにくくなり、お互いを心配させてしまいます。
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人はそれぞれなので、読者の方がご経験していることと異なる場合もあると思いますが、日本―インドネシアの国際結婚パート1からパート6までは全部、日本人である夫とインドネシア人である私が実際に経験したことです。

皆さんに少しでも楽しんでいただけ、役に立てれば大変うれしく思います。

最後に、これからももっとムスリムフレンドリーに進んでいく日本に来られて良かった!

HALAL GOURMET JAPAN

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